妊婦さんとお話をすると、たいていの方が「私は赤ちゃんを母乳で育てたいです。」と話します。
でも、新生児訪問で赤ちゃんとママを訪ねると、完全母乳で授乳をしている方はすごく少ないのが現実です。
なぜなんでしょうね??
そこには、出産した病院での授乳指導が関係しているのかな??と思うことがあります。
出産後退院するまで4~5日くらいですが、その短い期間で母乳育児のサポートすることは難しい現実があるのかもしれません。それには、母乳分泌と赤ちゃんの体重減少のしくみが関係しています。
赤ちゃんが産まれたらすぐにおっぱいが出て、ごくごくと飲み始めるっていうイメージがありませんか??
実はこれ、間違いです。
出産後すぐには、実は母乳はほとんど出ないんです。特に初産では。
出ないおっぱいを赤ちゃんが、「おなかすいたよー!!おっぱいくれー!!」って、何度も何度も吸ってくれることで、それが刺激になって母乳の分泌が始まります。
なので、実際に赤ちゃんに十分な分泌量になるためには時間差があるんです。
そのため、赤ちゃんは、出生後一時的に体重が減ることになります。だいたい出生体重の5~10%の体重減少は、異常ではないと言われています。(生理的体重減少)
3000gで産まれた赤ちゃんが、2700gくらいまで体重が減るのは正常だということ。
結構減りますよね。
そして、母乳の分泌が軌道に乗り、十分足りる量になってくると、生後7~10日頃には出生時の体重に戻ります。
ということは、、、出産後病院に入院中は、赤ちゃんの体重が減り続けている間ということになります。
生理的体重減少がちゃんと終了して、体重が増えてきているかの確認をすることができないまま退院を迎えてしまうんです。
それでは病院としては心配ですよね(-_-;)退院後も体重が減り続けていたら大変!
そうなると、病院としては、なんとしてでも退院までに赤ちゃんの体重が増加傾向になることを確認したいですよねー、、、、
さてさて、ではどうするでしょうか??
答えは、ミルクを飲ませるです。
こうして、退院後もママは赤ちゃんにミルクを飲ませ続け、完全母乳で育児をしている人が少ないという現実になっているように思います。
なんだかなぁ、、、という感じです。
ネガ母は、決して母乳育児を全面に推奨している助産師ではないんです。上手にミルクを使いながら子育てしていくことも大切だと思っています。母乳神話とか、くそくらえですよ(笑)
ただ、、、本当は母乳育児がしたかったという方が、できずにいて悲しい思いをしているのを見るのはとても辛いです。
きちんとした知識と、ケアを提供されていたら、母乳育児ってほとんどの人ができるのになぁ、、、。
赤ちゃんにやさしい病院(BFH)ってご存じですか??
ユニセフ・WHOから「母乳育児成功のための10か条」を実践していると認められた施設のことをいいます。
2021年10月の時点では、日本国内では66施設が認定されているようです。(詳しくは日本母乳の会のHPをご覧ください)
なかなか自宅の近くにこのような病院があるという方は少ないと思いますが、、、
もし出産前で母乳育児に興味があるという方がいらっしゃいましたら、ぜひこのような病院や助産院での出産も視野に入れてみてはいかがでしょうか??
きっと、母乳育児に関するアドバイスやケアを受けられますよ!!
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